最近、子どもとメディアのことで、親御さんの悩みをよく耳にします。
「子どもに、『仲間はずれにされる。』と泣きながら懇願されて、ゲームやスマホを買い与えてしまったけれど‥食事中も手放さない、夜も寝ない、親の話には聞く耳を持たない、毎日ゲームやスマホのことで親子で言い争いが絶えない。いったいどうするべきだったのか。」と。
また、思わぬもめごとで学校からの呼び出しがあったり、困り果てて学校に相談に行ったりするケースも大変多いようです。
しかし、もっと怖いのは、対人関係能力を磨いていかなければならない思春期以降(個人差もありますが、小学校5、6年生頃から)に、メディア接触が過剰になることで、顔を突き合わせた本当の人付き合いの体験が不足してしまうということです。
多くの若者が「対人コミュニケーション」に苦手意識を持っていると言われます。具体的には、多くの高校生、大学生が、家庭や職場などの固定電話でかけるのも、受けるのも苦手です。就職活動の際、ネット経由でエントリーはうまくいっても、最終的な就職担当者との電話でのやり取りがまともにできない、(アポイントさえ満足にとれず、挨拶もできない)大学生が多いようです。
では、そうならないために、今、どうしたらいいのでしょうか?
「(ゲームやスマホが)ほしい!」と、子どもたちから要求がでてきた時こそがチャンスです。お互い時間をかけてしっかり話し合いをし、自分や友達を大切にするためには、どのように使用するべきなのか、与える前にまずルールをきちんと決めておきましょう。そして、使用し始めた後も、実際の使用状況について、常に親子で話し合い、一緒に考えルールを見直しながら、じっくり親子でつきあっていくことが大切です。
ここで、先月予告していた、子どもとメディア おすすめルールを紹介します。
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〔小学生のゲーム機編〕
☆ ゲーム機は保護者のもの。使うときだけ、時間を決めて借りるようにする。
☆ ゲーム機は、家の外に持っていかない。
☆ 夜は寝ます。(夜9時以降はスイッチオフ)
☆ ゲームは 一週間に一回だけ 2時間以内。
(あるいは、ゲームしない日を、一週間に3日以上。)
☆ ゲームした分だけ、体にいいことをする (友達と外で体を動かして遊ぶ、
など)
☆ テレビ、ビデオ、ゲーム、ネット、ケータイ、スマホ、パソコン、・・・(電子
メディア)全部あわせて一日2時間まで
(テレビは、見ていなくてもテレビのついている部屋にいる時間も全部数え
る。)
☆ ゲーム機をネットに接続しない。
☆ どうしても時間が守れないときのばつを決めておく。まず、一ヶ月以上
使用禁止。(依存防止)
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ルールにはいくつかのポイントがあります。
まず
1)子ども自身がルールを提案できるようになってから、話し合いをして持たせる。
ルールの意味が分からない場合、幼すぎて時間の概念がはっきり していないなど、ルールそのものが守れないうちは、まだ早いでしょう。
2)ゲーム適齢期は現実と仮想の区別がきちんとつくようになった時。
現実と仮想が曖昧なうちは、現実認識が歪む可能性があり危険です。
3D映像なども不適切です。
3)最初は守りやすい約束から決めて自信をつけていくとよい。
まもれそうもない約束はしません。
一番のおすすめは、なるべく幼いうちからメディアコントロールの練習(子ども自身が自分でテレビのスイッチをオフにする力をつけること)をすること。
依存予防、依存回復力向上に役立ちます。
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(★子どもとメディアの活動、各種調査結果など参考サイト)
参考サイト一覧
◎ NPO法人 子どもとメディアによる福岡県内の小中学校での規範教育
授業のご紹介
『H24年度福岡県教育施策実施計画』
保護者と学ぶ児童生徒の規範意識育成事業の実施 <重点事業14>
◎ 総務省 青少年のインターネット利用と依存傾向に関する調査 H25.6
高校生の場合 ゲームを一緒に楽しむ友達のうち、
現実世界での元々の友達8.9%、ネットで知り合って現実でも知り合った
友達、2.3%、
ネットだけの知り合い16.1%
小学生 4.3%、0.8%、1.3%
中学生 5.6%、1.5%、6.6%
ネットの中で、ゲームを通じて実際に会ったことも無い人と交流し、さらに、
実際あってもいるのです。
○上記調査において、子どもたちのネットやソーシャルメディアの利用実態と
保護者の認識の解離をどう埋めるのかが課題として指摘されています。
○上記調査においてヤングの指標による調査
依存傾向高得点 高校生9.2%、中学生7.6%、小学生2.3%
依存傾向中程度も含めると 高60%、中43.3%、小18.7
高校生がピーク。
また、スマートフォントと携帯をもっている高校生、学生の平均使用時間は
一日3時間前後。
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ラインで夜更かしをして朝起きられないのは、中高生だけではありません。小学生にまで広がっています。スマートフォンだけでなく、携帯電話や、ゲーム機、iPodタッチなどでも同じようにネット接続し、ラインやネットゲームをしています。Wifiでのネット接続は、セキュリティも心配です。ライン上でのトラブルで、小学生から大学生まで不登校になったりしています。
文章、写真、個人情報など、一度ネット上に流出したものは、二度と回収することができません。ネットやソーシャルメディアの長時間深夜に及ぶ使用では、多くの深刻なトラブルが発生しており、今後も増加することが予測されます。大人でさえ被害者になったり、加害者になってしまったり、思わぬトラブルに遭遇するのですから、子どもたちが危険でないはずがありません。
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◎ 不正アクセス禁止法で検挙されされた4割が10代。中学生が検挙
された事例も掲載。
不正アクセス行為の発生状況及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発
の状況 (P6)
国家公安委員会 平成 2 5 年 3 月 2 8 日
◎ いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号)
第19条 インターネットを通じて行われるいじめに対する対策の推進
◎ 参考 一般社団法人 日本小児科医会 子どもとメディア
「スマホに子守りをさせないで」
電子メディア機器は、幼いうちは、もし与える場合は慎重に。電子音が真の音感獲得を阻害し、視覚、とくに立体視の発達を大きく阻害します。自然や人とのコミュニケーションから得られるはずの、愛着や自己肯定感が得らません。
投稿者 Kosodate : 2014年02月12日 09:00
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