「自然体験や生活体験が豊富な青少年ほど自己肯定感が高い」
国立青少年教育振興機構が日本、米国、中国、韓国の高校生を対象として実施した調査で、日本の高校生は、米国、中国、韓国の高校生に比べて自己肯定感が低い傾向がみられました。
例:「自分はダメな人間だと思うことがある」日本72.5%、中国56.4%、米国45.1%、韓国35.2%
(出典 高校生の生活と意識に関する調査-日本・米国・中国・韓国の比較-(平成27年度調査)より)
自己肯定感とはなんでしょう?自己肯定感とは、自分のあり方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉です。(出典 実用日本語表現辞典)自己肯定感が高い子どもとは、「自分が価値のある存在である」と感じていたり、自分に自信がある子どもだといえます。その特徴としては、様々な物事に取り組む意欲が高いことがあげられます。学習や労働といった具体的な対象への意欲の減退だけでなく、成長の糧となる様々な試行錯誤に取り組もうとする意欲そのものが減退している背景には、青少年の自己肯定感の低さなどがみられることが指摘されています。(出典 中央教育審議会 次代を担う自立した青少年の育成に向けて(答申)平成19年)
ところで、あなたのお子さんは「自分の身の周りのことを自分ですること」ができますか?
なんでも先回りして「子どもが困らないように」とやってあげていませんか?これでは、自分で解決する力は育ちません。このことは一見優しさのようにも見えますが、実は子どもにとって「自分で出来ないこと」が自己肯定感を低くしているのではないかと考えています。
では、どうしたら自己肯定感を高めることができるのでしょうか?国立青少年教育振興機構が小学生、中学生、高校生を対象として実施した自己肯定感に関する調査では、「自然体験や生活体験が豊富な青少年ほど自己肯定感が高い」ことが明らかにされています。
「キャンプ」には「Learning by Doing(体験を通じて学ぶ)」という特性があります。
2020年から実施の小学校学習指導要領、2021年から実施の中学校学習指導要領には、討論や発表を通じて課題を解決する「アクティブ・ラーニング」の導入が検討されていますが、この手法こそ「キャンプ」が大切にしてきたものです。
キャンプは自然との関わり方を学ぶ場でもあります。例えば登山の途中で雨に合い、ずぶ濡れになったことがある子どもは、次の年のキャンプには必ずしっかりしたカッパを準備して来ます。しかし、次の年は天候も良く雨具がいらない場合もあります。長時間山の中を歩く場合は出来るだけ荷物を軽くした方が身体への負担が減ります。そうなると天候を見て持って行くものを選べるようになります。正に体験学習なのです。特に失敗から学ぶことの方が大きいような気がします。それを自分の力で乗り越えることで達成感や自信となり、自己肯定感が高まるのだと思います。子どもの可能性は偉大です。大人が信じて様々なことを体験できる環境を作ってあげることが大切なのではないでしょうか。少しだけ、背中を押してあげれば良いのです。子どもは私たち大人が思っている以上に大きな可能性を秘めていますよ!
投稿者 Kosodate : 2017年01月16日 13:22
現代、配慮ある養育環境の整備まで思いやる余裕のない家庭が多くなっているように感じられます。親が出来ない部分を良き指導者の下で体験学習を通して、子どもの適性や可能性などを発掘する機会は自己肯定感にも繋がりとても貴重だと思います。是非ともこういった取組を推進されることを望みます。
投稿者 岡田和治 : 2017年01月16日 20:22
見守り、背中をそっと押してあげるのが大事なのはわかっていても、つい手を出してしまうので考えさせられます。たくましく育って欲しいけど、危険がいっぱいの世の中で、のびのび育ててあげたいものです。
投稿者 リス組さん : 2017年01月16日 21:17
広島県教育委員会の加藤と申します。岡田尚子さんから情報をいただき,投稿を拝見しました。広島県でも体験活動の重要性から,小学生を対象に3泊4日の長期集団活動である「山・海・島」体験活動に取り組んでいます。岡田尚子さんも昨年9月まで働いてくれていたのですが,8月に広島県で開催した全国高等学校総合文化祭の仕事をしています。広島県内の高校生が中心となって企画・運営したのですが,まさに高校生の可能性を実感しました。逆に,我々大人のほうの高校生への関わり方の難しさを痛感した次第です。どこまでやればよいか,どういう指導(アドバイス)をすればよいか。「少しだけ,背中を押して上げれば良い」とのことでしたが,その「少しだけ」の程度がなかなか難しいのではないでしょうか。体験活動もですし,これから導入されるアクティブ・ラーニングにおいても,指導する側の大人(教職員,指導者など)が指導法などをしっかり勉強(研究・研修)する必要があるかと思います。
投稿者 加藤浩司 : 2017年01月16日 22:22
花田先生、こんにちは!
私は大学生になってから小学生のキャンプにスタッフとして参加するようになりました。キャンプの中ではやはり日頃体験できないことをたくさんします。やったことないことばかりで、何度も失敗するけど、何度も挑戦する姿をたくさん見てきました。体験自体もそうですが、体験を乗り越える過程が、必ずその子の力になっていると感じます。
このようなことの積み重ねが自己肯定感に繋がっているんだなと改めて感じました。
投稿者 西岡 : 2017年01月17日 14:52
花田先生、こんにちは!
私は子どもの頃キャンプに参加したことがありませんでしたが、大学に入り、スタッフとして参加させていただく機会が多くなってきました。
最近は何事もたくさん制限がされてきているように感じますが、少々怪我するくらい!と強くなるためのプラスになる事だと考えて、何事にも自分から積極的にチャレンジすることが大切なのではないかと思います。
褒める時はとことん褒めて叱る時にも愛を持って叱れるようになりたいです。
投稿者 武田 : 2017年01月17日 15:04
みなさんコメント有難うございます。
「少しだけ背中を押してあげる」って確かに難しいですよね。状況によっても違いますし。私は、「背中を押す」とはチャレンジできる環境・きっかけを作ってあげることだと思います。やるのは「自分」ですから!良く本学の学生がキャンプに参加して言うのは、「素の自分になれた」とか「自分からやってみたら楽しかった」と言います。そんな自分になれるような関わりや環境が大切だと考えます。みなさんからコメントを頂いたように、参加した子どもたちが自分の考えを素直に伝えられ、仲間と試行錯誤しながら乗り越える過程を「ちゃんと見てるよ、応援しているよ!」「頑張ってるね!」って言ってあげることも「背中を押してあげる」ことに繋がるのではないかなと思います。
投稿者 花田道子 : 2017年01月24日 20:43
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