乳幼児期の就寝時間について

平成18年3月1日

近年夜遅くにコンビニや繁華街で子どもやママに抱かれた赤ちゃんを見かけることがあります。 こんな遅くまで子どもを起こしていて大丈夫かしら?と心配になることがあります。2004年の日本小児保健協会の調査で、2歳半の生活習慣を調査した結果が報告されました。夜10時以降も起きている割合が44%でした。1990年のオーストラリアで3歳前後の子ども達を対象にした調査では、夜10時以降も起きている子どもたちはわずか5%のみでした。日本を含めた世界の子どもたちの就寝時間を調査したデータを比較すると、日本の子どもたちの夜更かしは世界でも突出しています。

睡眠について

現代は、子どもたちにとってとても大切な睡眠が軽視されていると思います。昔から早寝・早起き・朝ごはんが大切だと言われていますが、睡眠の研究者からお話を伺うと本当にその通りなのです。科学的に言うとちょっと難しいのですが、夜9時前に寝かせると性的な成熟を抑制したり、老化を防止する作用・抗がん作用があるメラトニンというホルモンが分泌されます。朝早く起きるとセロトニンというホルモンが分泌され、やる気が出て、感情や行動をコントロールする作用があります。もし遅起き遅寝の習慣だとどうなるでしょうか?メラトニン・セロトニンが分泌されず、早く体だけが成熟して心とのバランスがとれなくなる、多動・イライラ感・攻撃性が強く、稚拙な感情表現しかできない子どもになってしまうのです。

生活習慣がやる気や意欲の基礎をつくります。

 やる気や意欲のある子どもに育って欲しいと、ママやパパは願いますよね。そのためには、乳幼児期から生活習慣を整えてあげましょう。早寝・早起き・朝ごはんがその基本です。学力と就寝時間・朝ごはんとの関係を調査した結果では、就寝時間が早く朝ごはんを食べているグループは学力が高く、逆に就寝時間が遅い・朝ごはんを食べないグループは学力が低いということです。この結果からも、いかにきちんとした生活習慣が大切かがうかがえますよね。乳幼児期からこうした生活習慣を大切にきちんとつけていきたいですね。

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