大人は知らない ~ネットの中の子どもたち 早期接触と依存の危険

平成26年2月12日

 最近、子どもとメディアのことで、親御さんの悩みをよく耳にします。

  「子どもに、『仲間はずれにされる。』と泣きながら懇願されて、ゲームやスマホを買い与えてしまったけれど‥食事中も手放さない、夜も寝ない、親の話には聞く耳を持たない、毎日ゲームやスマホのことで親子で言い争いが絶えない。いったいどうするべきだったのか。」と。
 また、思わぬもめごとで学校からの呼び出しがあったり、困り果てて学校に相談に行ったりするケースも大変多いようです。
 しかし、もっと怖いのは、対人関係能力を磨いていかなければならない思春期以降(個人差もありますが、小学校5、6年生頃から)に、メディア接触が過剰になることで、顔を突き合わせた本当の人付き合いの体験が不足してしまうということです。
 多くの若者が「対人コミュニケーション」に苦手意識を持っていると言われます。具体的には、多くの高校生、大学生が、家庭や職場などの固定電話でかけるのも、受けるのも苦手です。就職活動の際、ネット経由でエントリーはうまくいっても、最終的な就職担当者との電話でのやり取りがまともにできない、(アポイントさえ満足にとれず、挨拶もできない)大学生が多いようです。

 では、そうならないために、今、どうしたらいいのでしょうか? 
「(ゲームやスマホが)ほしい!」と、子どもたちから要求がでてきた時こそがチャンスです。お互い時間をかけてしっかり話し合いをし、自分や友達を大切にするためには、どのように使用するべきなのか、与える前にまずルールをきちんと決めておきましょう。そして、使用し始めた後も、実際の使用状況について、常に親子で話し合い、一緒に考えルールを見直しながら、じっくり親子でつきあっていくことが大切です。

ここで、先月予告していた、子どもとメディア おすすめルールを紹介します。
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〔小学生のゲーム機編〕
 ☆ ゲーム機は保護者のもの。使うときだけ、時間を決めて借りるようにする。
 ☆ ゲーム機は、家の外に持っていかない。
 ☆ 夜は寝ます。(夜9時以降はスイッチオフ)
 ☆ ゲームは 一週間に一回だけ 2時間以内。
   (あるいは、ゲームしない日を、一週間に3日以上。)
 ☆ ゲームした分だけ、体にいいことをする (友達と外で体を動かして遊ぶ、
   など)
 ☆ テレビ、ビデオ、ゲーム、ネット、ケータイ、スマホ、パソコン、・・・(電子
   メディア)全部あわせて一日2時間まで
   (テレビは、見ていなくてもテレビのついている部屋にいる時間も全部数え
   る。)
 ☆ ゲーム機をネットに接続しない。
 ☆ どうしても時間が守れないときのばつを決めておく。まず、一ヶ月以上
使用禁止。(依存防止)

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 ルールにはいくつかのポイントがあります。
まず
 1)子ども自身がルールを提案できるようになってから、話し合いをして持たせる。
ルールの意味が分からない場合、幼すぎて時間の概念がはっきり していないなど、ルールそのものが守れないうちは、まだ早いでしょう。

 2)ゲーム適齢期は現実と仮想の区別がきちんとつくようになった時。
現実と仮想が曖昧なうちは、現実認識が歪む可能性があり危険です。
3D映像なども不適切です。

 3)最初は守りやすい約束から決めて自信をつけていくとよい。
まもれそうもない約束はしません。

一番のおすすめは、なるべく幼いうちからメディアコントロールの練習(子ども自身が自分でテレビのスイッチをオフにする力をつけること)をすること。
依存予防、依存回復力向上に役立ちます。

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