「心を鬼にするべきなの!?」~嫌悪刺激でしつける副作用~

平成31年1月26日

 わが子が将来、困らないようにと願えば願うほど、「宿題を後回しにする」、「片づけない」、「言葉遣いが悪い」など、気になって仕方なくなりませんか?優しい親でいてあげたいと思って、最初は優しく声をかけているのに、優しく言っていると全く効き目がなく結局は怒鳴ることになってしまうことはないでしょうか?

 そもそも、子どもに怒鳴ることや、罰を与えることに効果はあるのでしょうか。

 怒鳴ることも、怖い顔をしてみせることも、叩くことも、ゲーム機を取り上げて泣かせることも、実は、何ら効果がないことは多くの研究結果として判明しています。
一見、効果があったかのように見えるのは、子どもが嵐の通り過ぎるのを待っているだけなのです。そのようなやり方を続けていると、どんどん罰をエスカレートさせなくてはいけなくなってしまい事故や事件にもつながりかねません。もっと懸念すべき副作用は、叱りつけられたり怒鳴られたりした子どもは、たとえ事件の被害を受けても事故に巻き込まれてもとっさに「親に怒られる」と反射してしまい、被害者でありながら謝ってしまったり、誰にも言わずに物事がこじれてしまったりするなど多くの経験や理論から言えるのではないでしょうか。

 親にとっても副作用があります。それは親が「本気でキレる」までは子どもが不適切な行動をやめないことです。ゲームを止めさせるのに最終的には大声をあげ、手をあげる行動をとると、子どもは次から「大声をあげるまでは無視してよい」と学んでしまうのです。だから親は「何度言っても聞かない」「親を馬鹿にしている」と疲れ切ってしまいます。「怒鳴る」「叩く」「けなす」「恥をかかせる」などの嫌悪刺激は、子どもの人生にとっても、親の日々の大変さにとってもマイナスでしかありません。

 子育てに嫌悪刺激は使わなくてよいのです。よく「ほめて育てる」と言いますが、むやみにほめろと推奨しているのではありません。できるだけ親も楽をしてほしいからです。
 例えば子どもとのルールも、ほめるために作りましょう。「部屋の中では騒がない」というルールを「部屋の中では静かに過ごす」としておけば、静かな時にほめてあげられるでしょう。

次回は、「ほめて育てる」について、もっと具体的な話をしていきます。
 

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