~ケータイ<バトル>で親も子どもも成長するぞっ!~第五回 ケータイ依存にならず安全に守られるためのルール

■いよいよ持たせるとき
 決して入学や試験の成績の「ごほうび」にしてはいけません。
 体や心の成長に悪影響があることを覚悟の上で「必要だから持たせる」ものにしてください。
 どんなトラブルが起きても子どもを守る!という親としての覚悟は十分決まりましたか?
 前回の関門6で依存にならないための対策、関門7でトラブルや犯罪被害から身を守るルールを子どもから提案されているはずです。提案されたルールを点検してみましょう。

■前提条件
1)ケータイの所有権は親が持つ。子どもは借りて使うもの。
2)ケータイ費用は全額親が支払う
3)使用目的が連絡のみならメール・ネット契約しない
 メールだけで依存、いじめ、出会い系、アダルトなどケータイの厄介ごとがやってきます。
 どんなケータイでも通話専用にできます。
 携帯会社に「メールもネットもいりません」と言ってください。

■依存にならないために必須のルール
1)使用時間数の制限
 1日○時間以内と決めてください。2時間以内が目標です。
 ・2時間以上の使用者では依存傾向が強くなる
 ・5時間以上の使用者では相当に強い依存傾向が出てくる
 このようなことが調査で分かってきています。
2)使用時間帯の制限
 ○時~○時と決めてください。22時以降は使わないことが原則です。
 深夜の利用者は、依存、犯罪の被害、加害の確率が高くなります。
3)使用しないときは親に返す
 使用時間帯以外は、親に返してもらうのが原則です。
4)メール・サイトのチェック
 定期的、抜き打ちにメールおよび見ているサイトのチェックを行います。
 サイトチェックは、親子でいっしょにケータイを見て、対話しながらチェックします。
 メールの内容は大丈夫と確信が持てるようになったら、見ないようにルールを変更してよいでしょう。その場合も、誰にメールを送っているかだけはチェックするようにします。

■ルールが守られるためのルール
1)メールは勝手に削除しない
 携帯会社によってはメール履歴やサイトアクセス履歴を確認する方法があります。
 携帯会社に確認しましょう。
2)パスワードは掛けて良いが親に教える
 ケータイサイトを開いている場合は、見せたい人だけが見れるようにパスワードを設定するべきです。ただし、そのパスワードを必ず親に教えるようにしましょう。
3)ケータイ費用は上限を決める
 ルールだけでなく携帯会社と料金の上限契約を必ずしておいてください。
 上限契約して無いと、特に初期は膨大な請求が来ることがあります。
  ※通信料 無料音楽ダウンロード1曲 約3000円/無料動画10分 約5000円
 上限額に達するとケータイが使えなくなります。
 パケット定額制にすればいくら使っても料金は5000円程度で済みます。
 しかし、長時間使用や無料サイトの登録などに走りやすくなりますので慎重に考えてください。

■ルールを破ったときのルール
 ルール違反に対してのルールを厳密に決め、必ず従うことが依存をひどくさせないために必須の要件です。約束を繰り返し破ることが、依存をひどくしていきます。
 これは、親が絶対に実行しなければならないことと腹をくくっておいてください。
 ルールを破ったときのルールの例です。
1)2回目までは十分話を聞いた上で1週間の使用停止
 どうして破ったかの理由をはっきりさせ、誰が決めた何のためのルールか確認しましょう。
 短期間に繰り返しルールを破る場合は、依存傾向が強くなっているか、隠し事がある場合が考えられます。なにより大切なのは、しっかり話を聞いて子どもの状況を知ることです。
2)3回目では1ヶ月の使用停止
 例えば3ヶ月以内に3回ルールを破ったら1ヶ月の使用停止とします。
 1ヶ月使用しないと依存からほぼ脱却できます。
3)使用停止後3回のルール違反で解約
 使用停止から復帰の際にルールを見直しましょう。その上で、再びルールを破るようであれば、ケータイを使うだけの力量がないと判断してください。
 このような状況になった場合にこそ、やさしく、しっかり、子どもの話を聞いてください。
 子どもは最愛のパートナーを失った状況だと考えてください。
 約束に対しては厳しく、子どもに対してはやさしく・・・です。

■すでに持たせている場合
 ここにあげたようなルールを途中から作ることは大変難しいと考えましょう。
 子どもと十分話し合いができて、ルールを作ろうということになったら、上記を目標にルールを話し合ってください。
 子どもとの話し合いの上で、確実に守れるルールを決めることが重要です。
 守ることが難しいルールを決めてしまうと、ひんぱんにルールを破ることになり、ルールの意味がなくなります。
 ルールを大幅に緩和する代わりに、「ルールを破ったときのルール」を取り入れるように話しあいましょう。依存がひどくならないためには、絶対に必要な要件です。

 

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