~知育 体育 徳育 その前に食育~ 第3回

平成22年7月13日

毎日、蒸し暑い日が続き、梅雨明けが待ちどおしいですね。
“梅雨”読んで字のごとく“うめのあめ”です。梅干しを漬ける時期ですね!
4,5歳児の子が爪楊枝で梅のヘタとりをし、塩漬けをします。一週間程して、梅酢が出てきた頃、赤紫蘇が店頭に並び始めます。
紫蘇を塩で揉んでぎゅっと搾ると黒いアクがでてきます。この時はまだ揉んだ紫蘇の色も黒く香りもまだまだです。
もう一回塩で揉んでアクを絞り、いよいよ梅酢の中に入れます。入れた途端、透明な梅酢があっという間に鮮やかな紅色に変わります。
この時、子ども達からは「わあーきれいー」「色が変わった」「いい香りがする」等、驚きと喜びの声が聞こえます。
みんなで漬けた梅干しはおにぎりの具になったり、うどんに入れたり、野菜の梅肉和えにも、一年中給食の中に登場します。

何でもお金を出したら簡単に手に入る現代、子ども達は梅干しをはじめとする様々なものが作られる過程、材料等を知らされているでしょうか?
又、お母さん方はスーパーで買ったもののラベルを見ると、本来必要のない添加物等が入っていることを知っているでしょうか?

私達の住んでいる日本は島国です。高温多湿で四季があります。先祖はその自然環境の中で様々な食品を作り上げてきました。その代表的なものが、みそ、醤油、酢、酒、漬物などの発酵食品であり、その中でも最強のアルカリ性食品が梅干しです。昔から、家族で親戚で地域でそれらの食品を作り、次の世代に伝えてきました。
自分たちで梅干を漬けることで本物の味覚を摺り込ませると同時に、本来食べるものは、自分で作るもの、作ったものは、何がどの位入っているか、どのように作ったかということを子どもたちに分かってもらうことができます。
体験したことしか身につきませんし、伝えられません。昔の人の智惠、世界に誇る健康食の和食を伝えていきたいと思います。

高取保育園では、梅干しの他に、給食で毎日出される味噌汁には5歳児が毎月100キロ手作りしている合わせ味噌を使います。味噌は“医者殺し”と言われるほど、一日一椀の味噌汁を食べることで健康になると言われています。年に1回は保育園を解放して、保護者、地域の方、誰でも参加できる」味噌作りの日を20数年前から実践しています。この日は家族総出で家庭で使う1年分の味噌を作り、大事そうに出来上がった味噌を笑顔で持って帰られます。又、季節に応じて、らっきょう漬け、たくあん漬け、たかな漬け、干し柿作り等、子ども達と一緒に楽しく作って、おいしく食べています。

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