1.コロナ禍での乳幼児期の子どもをもつ家庭の悩みにおける現状

 

令和2年8月26日

 みなさん、はじめまして。私は、筑豊エリアの保健センターで保健師さんたちとチームを組んで、発達に関する相談や保育所を訪問して子どもたちの育ちを見守る仕事をしていて、日々たくさんの子どもたちとお母さん方に出逢う仕事をしています、田上裕子(たがみ ゆうこ)と申します。

 さて、コロナ禍によって5月の緊急事態宣言から6月の終わり頃まで、私が勤めている保健センターでも乳幼児健診や相談、各子育て教室が順延となり、子育てを始めたばかりの赤ちゃんを連れたお母さんたちが気軽に相談へ行ける場がなくなっていました。また、保育所では、子どもたちが閑散としてしまい、新しいクラスに進級したのに、大好きなお友だちにずっと会えない日々が続いていたようです。

 外で身体を動かして遊ぶことが大好きな子どもたちは家から出られなくなりました。家庭に閉じこもって育児をしているお母さんたちも、この状況下でも仕事を続けなくてはならないお母さんたちも、当たり前の日常がなくなり、ちょっとした心配ごとを話せる場がなくなっていたことは、とても不安な気持ちを抱く方が多くいたのではないでしょうか。

 そして緊急事態宣言が明けて、おそるおそる日常生活が戻って来た頃から、お母さんたちより、「保育所へ激しく行き渋っている。」、「訳もなく家で泣き叫ぶ。」など、今まで見たことのない我が子の行動について、心配ごとの相談が増えてきました。子育ての現場においても新しい生活様式に沿った相談や支援が必要だと感じるようになりました。

 また、大人たちが大きな変化に対応しなければならず、ストレスを抱えやすい状況にあっても、一方で子どもたちは元気でたくましく、大ピンチだと思っていたのに大きな成長をみせてくれたり、思わぬ笑いを運んでくれたり、世の中の癒しとなり、大切なことを教えてくれる存在だとこの状況下だからこそ強く感じています。

 次回から、コロナ禍という普段とは違う環境に戸惑い、泣き叫んだり、身動きがとれなくなってしまったりする子どもたちへの具体的な対応について触れていこうと思います。 

どうぞよろしくお願いいたします。

< 前の記事     一覧へ     後の記事 >