脳からみた子育て 学校と家庭での学び

平成26年12月10日

学童期は「創造の時期」とも呼ばれ、学童の脳は「自分で考え、その考えを主張しながら、何かを学ぶ」のです。主な学びの場は、もちろん学校と家庭です。

学校は子どもに“正解”を提供する場です。すべての子どもに3+5=「8」、昆虫の脚は「6本」が等しく提供されます。計算が不得意な子や虫が嫌いな子でも「35」や「4本」が提供されることはありません。また、学校には「始業時間は9時」「授業中は私語禁止」などの正解もあります。早起きが苦手な子やおしゃべりが好きな子でも、これらの正解以外は認められません。

学校が提供する“正解”から、子どもは社会生活を営むために必要な知識や常識、規則の必要性やそれを遵守する大切さを学びます。そして「集団の一員として考え、集団の一員として主張し、集団のために行動する」能力を獲得するのです。

一方、家庭はその子どもだけに合う“答え”が提供される場です。お小遣いの金額、食事の時間、ゲーム機購入の是非など、傍からみれば些細なことかもしれませんが、子どもに最も合う“正解のない答え”を悩みながら探し、提供するのが家庭です。家庭が提供する“答え”のすべてが子どもに受け入れられるわけではありません。そんなときは大いに話し合うべきです。

家庭が四苦八苦して提供する“その子だけに合う答え”から、子どもは「ナンバー・ワンでなくても、自分はオンリー・ワン」であることを学び、さらに家族との話し合いのなかで「家族の一員(個人)として考え、個人として主張し、個人のために行動する」能力を獲得するでしょう。

 

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