テレビ・ビデオ・ケータイ・ネット 一日何時間までOK?

平成25年11月27日 

今日は塾が無いから、学校から帰ったら、自転車のかごにゲーム機を入れて急いで公園に乗り付ける。この前、友達のゲームソフトがなくなったりしたから、お母さんは「家の外にゲーム機を持っていっちゃだめ。」って言うけど、気付かれないし、だいたい持っていく。自分で持っていかなくても、友達の分までゲーム機を持ってくる子もいるから、みんなでやる。他の子がゲームする画面を一緒に眺めたり、ゲーム機を借りてやってみたりもする。チームで戦っている友達は、毎日必死で集まってゲームを進めている。一人欠けたら進まないから、絶対集まって来る。
 雨の日は近所の守衛さんのいないマンションのエントランスホールでみんなで陣取って、ゲーム対戦。
 マリオカートもポケモンもネット対戦する。マックでやって、ゲームのアイテムをゲットしたり、ポテトをもらったり。友達は、モンハン(モンスターハンター)にはまってる。モンハンは、CEROのレーティングでは15歳以上だけど、小学生も、もっと小さい子も、中学生も大人もみんなやってる。
 すごい長い時間やってる子たちもいる。12時間とか、24時間とか。僕はそんなに長い時間やってるワケじゃないし、友達で眼科に通ってる子、けっこういる。いまのところ僕は視力はいいし、気にしてない。
 このごろ僕のゲーム機に知らない人からメールが来るようになった。Wi-Fiでつながった人かな?お母さんにネット接続はオフにするっていわれたけど、友達に接続のしかた教えてもらったからいいや。

 このごろの小学3、4年生。例えばこんな感じです。本当なら、おもちゃなどなにもなくても友達と一緒に元気に遊ぶギャングエイジの小学3、4年生。むしろ何もない方が、仲間同士でずっと豊かな遊びが展開される年頃です。

 親の皆さんが、子どもの頃、どんな遊びに夢中でしたか?どんなおもちゃが好きでしたか?
 自分自身がお子さんと同じ年頃だった頃、友達とどこでどんな風に遊んでいましたか?
お子さんの年頃だったころ、日常生活の中でラジオやテレビやゲームなどのメディア機器とどんな風につきあっていましたか?ケータイも、もちろんパソコンもネットもスマホもありませんでしたね。

 ほぼ一日中親の手元にいた乳幼児期とは異なり、小学生ともなるとみるみるうちに行動範囲が広がり、遊びも変化していきます。
 今現在のお子さんの現実の友達関係、いつどこで、どんな友達と何をして遊んでいますか?
 そもそも、遊ぶ時間=自由な時間はたっぷりありますか?
 すでに子どもの生活の中に深く入り込んでいる電子メディア、ネットやゲームの世界で、いつどこでどんな仲間と何をしているか、ご存知ですか?


 子どもたちの体力が落ちていると言われて久しいです。走り幅跳びは、うまく踏み切れないので、立ち幅跳びを計測するようになりました。背筋力の計測は、子どもが腰を痛めたり骨折したりするので、計測そのものがなくなりました。

 昨年度の調査では、(平成24年度 北九州市子ども家庭局青少年課が北九州市内10児童館で実技調査)

 「箸を正しく持てる子ども」は全体の15%、
 「一見正しい持ち方をしているが、指使いがおかしい」25%、
 「独自の持ち方をして使う」が60%。
 「鉛筆を正しく持って使える子ども」15%。
 「ただしくナイフで鉛筆を削ることができる子ども」は0%。

同じ一連の調査の中で、やったことのある遊びと、やってみたい遊びについて尋ねています。

 「たき火をしたことがない」55%のうち、「たき火をしてみたい」子どもは43%
 「キャンプをしたことがない」42%のうち、「キャンプをしてみたい」子どもは36%

 子どもたちは、なんだってしてみたい。興味津々です。やればなんでもできるようになります。

 「メディア」=「媒体」、そしてメディア上に存在する「情報」=「置き換えられたもの」です
 子どもたちには、本物、生身の五感をフルに使って感知する経験こそが必要です。

 メディア環境に限らず子どもの環境の全ての安全と健康の基本は、「子どもたちに大人が関心を持つこと」です。昔も今も変わりません。


 さて、冒頭の「テレビ・ビデオ・ケータイ・ネット 一日何時間までOK?」の問いの答えは次回にもちこしましょう。みなさんも考えてみてください。理想的には?また、我が家の現実において実現可能なのは?そして、ご家庭で実現可能な簡単な方法で、テレビやゲームの時間を減らす工夫をしてみてください。

 とても簡単で効果の高い 一つの方法をご紹介します。「ご飯のときは、テレビを消す」
『ご飯のときにテレビを消すと、家族の愛着が増す』ことが、私たち子どもとメディアの調査でわかっています。
 今日から早速、チャレンジしてみてください。ご飯の味が変わり、お箸の持ち方が変わり、親子の会話が変わります。親子の会話が、(友達や他人との会話よりも)子どもの前頭葉を活性化するという研究結果(※1)も出て来ています。
 一ヶ月後、どんな変化が起こっているでしょう?

 ではその一ヶ月後の変化を楽しみに、またお会いしましょう。

※1・・・第1回子どもメディア全国フォーラム報告集 特別講演 川島隆太
     「脳を知る・脳を育む」~子どもの発達とメディア環境~より引用

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