~家庭教育のあり方について-子どもを伸ばす親のかかわり方-~第2回 子どもたちは自信がないと言っています。その心が見えますか…

平成20年6月4日

 今の子どもたちの良いところは、のびのびとして明るく自己主張もでき、積極的に行動します。また、物があふれ、自分の欲しいものは、お金を出せば手に入る便利な生活であります。
 しかし、このような環境の中で、子どもたちの心は、「自信が持てなくて、イライラしたり不安な気もちだ」と、言います。
 なぜ、自信がなく、イライラしたり不安な気もちなのでしょうか…。
 10歳から12歳の子どもを持つ親の国際比較調査で「子どもの成長に満足していますか」の問いがありました。「満足している」と回答した親の割合が、欧米では80%、日本は36%であります。
 日本の子どもがそんなに悪いとは思えません。

 このような差は、日本の親が子どもに何を期待するのかというところが違うのでは…。
 それも、学校の成績のみに関心が向けられ、ほかの子どもとの比較に目を奪われています。
 親の期待に応えていないというおもいが、子どもたちの心に深いかげを落としては、いないでしょうか。

 小学4年生の子どもの悩みです。「先生、百点とるにはどうしたらよいですか?」と…。家では、お兄ちゃんが、いつも百点をとっています。お母さんから「あんたは、いつも成績が悪くてだめね」と、言われています。
 「百点を取らないと僕は、お母さんから愛されない」と思っているのです。
 親が試験の点数にこだわり、兄弟と比較され傷つけられる言葉にイライラしています。

 子どもの自尊心や自信は、自分の存在を親からありのまま受け入れられ、認められる肯定された体験から培われていきます。
 子どもは、『自分は親から愛されている』『自分は親の前で自分らしくあっていい』と思えることが、何より大事であります。
 心の底から、子どもの存在そのものを大切に思うこと…。
 それが、子どもにどのように伝わっているかを、振り返って考えてみる必要があります。自分の心がわかってくれる親を、子どもは尊敬し、信頼します。
 それを糧として、自信を持って目を輝かせ、いきいきと、よりよい人生を生きていくことでしょう。

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