「子どもたちの規範意識を高める関わり方」 ~学校経営を通して見えてきたこと~1

平成24年1月30日

 学校では、道徳の時間を中心にしたすべての教育活動を通して直接、また間接的に規範意識の涵養に努めています。
 私は、このことを生徒指導の柱として取り組んだ中学校長としての実践の一端を紹介させていただこうと考えています。

 校長として2番目に着任した中学校はいわゆる荒れた学校で、校内での喫煙や故意の器物破損のすごさには特に驚かされました。したがって、学校経営の重点課題もこの2点の解消・撲滅でした。その当時、米国人ロナルド・エモンズが発表した『効果ある教育実践』が教育界を風靡していました。私は、その中の「環境とチームワークの大切さ」に注目しました。そこには、「汚れた物、壊れた物はできるだけ早く補修・整備すること」とありました。

 当時の教育長は、中学校長時代、絵画や書道の作品で環境を整備し、生徒指導に大きな成果を残された方でしたので、私の考えに全面的な支援をしていただきました。廊下や教室の床板・壁板、階段のスレート、ガラス、蛍光灯、スイッチカバー、トイレットペーパーホルダー、トイレのドア、等々。破損したらすぐ補修、「丈夫さ」より「きれいさ」を優先した物を使う。その後の器物破損は皆無と言ってよいくらい、なくなり現在に至っています。まさに、「環境は人をつくる、そして、その環境は人がつくる」そのものだったと思います。

 『効果ある教育実践』を参考にした「環境整備」の取組は、生徒達の規範意識を高めるために大いに有効でした。

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