~心と体の健康管理~第1回 思春期の“揺れる心”

平成18年11月14日

 はじめまして。今回から六回,この講座を担当します。現在は,教育センターで教育相談を担当してます。でも,本当は,小・中・高の学校で子どもたちの心と体の健康を見守ってきた養護教諭(保健室のお姉様?おあばちゃん?)でもあり,高校生の息子をもつ母親でもあります。両方の立場から,思春期の“揺れる心”について,一緒に考えていきたいなぁと思っています。


《子ども,それとも大人?》

 さて,思春期の子ども(中高生)は,公共の交通機関では,料金は大人扱い。でも,中学生は,小児科を受診し,薬の処方も子ども扱い。高校生といえば,バイクの免許も取れるし,女の子は,結婚もできる一端の大人かと思えば,煙草もお酒もパチンコもだめ,選挙権もないという子ども扱い。子どもとも大人とも言えない何とも中途半端な存在です。親として,どう接してよいのか迷うところですが,子ども自身も自分の身の置き所の無さに不安になり,心が揺れているのです。


《揺れる心》

 子どもと大人,依存と自立の間を揺れ動いているこの時期,不安になる心の隙間に,色々な誘惑が忍び寄って来るようです。不安な気持ちを静めるために,親や教師など大人に反抗したり,お酒や煙草,万引きや深夜徘徊などの問題行動で紛らわしたりします。また,不安に押しつぶされ挫折感を味わい,心を閉ざし引きこもったり自らを傷つけたりもします。
一足飛びに大人にはなれませんが,子どもはいずれ,親を超えていくもの。子どもの自立を願って,子ども扱いと大人扱いとを上手に使い分けて,意図的に接し,成長を見守っていきたいものですね。こう考えると,思春期もやっぱり手のかかる子ども。時には,本音でぶつかって,子どもと向き合う時間が必要なのだと思う近頃です。次回は,不安な心に向き合ってみたいと思います。

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