第3回 免疫を高める腸内環境 シンバイオティクス

平成28年7月1日

 シンバイオティクスという言葉は、聞きなれない言葉ですが、プロバイオティクス(善玉菌)、プレバイオティクス(善玉菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維)を組み合わせたものです。

 インフルエンザやノロウイルス感染は冬場に多い感染症ですが、かかる人とかからない人になにか違いがあるのでしょうか?高校受験や大学受験を控えた時期に、このような感染症にならないようにするためには日頃からの予防と対策が必要です。

 その対策の一つに免疫力をあげることがあります。腸には免疫をつかさどる免疫細胞が腸内細菌の60~70%あり、体内で最大の免疫器官です。腸内に住んでいるいろいろな細菌の集団を腸内フローラ(腸内細菌のお花畑)と呼んでいますが、腸内細菌叢※(ちょうないさいきんそう)によって良い環境と悪い環境になることが分かっています。腸内には100兆個以上、約3,000種類の細菌が住みついており、その重量はなんと1~2kgもあると言われています。

 免疫力をアップする腸内環境にするには、善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌)を増やし、悪玉菌を減らしてよりよい腸内バランスを保つように、日頃からの食生活で実行していく必要があります。

 腸内環境を悪くする悪玉菌は、甘いお菓子や脂質の多いものが好物ですから摂りすぎないように注意し、食物繊維の多いもの(野菜、海草、きのこ、豆類など)は善玉菌の好物ですから不足しないように摂取しましょう。

 毎日の食習慣として、主食・主菜・副菜が揃った和食を中心とした食事を日頃からとることが大切です。ファストフードやお菓子を食事代わりにするなど偏った食事を続けることは腸内環境を悪くし、免疫力の低下をきたして様々な病気の引き金となります。食事は単に空腹を満たすためだけでなく、これから将来(20~30年後)の健康を維持することにつながることを意識して食べることが望まれます。

※腸内細菌叢・・・・・・・人間が母親の胎内にいるときは完全に無菌であるが、分娩と同時に産道や外界からの細菌の汚染を受け、まもなく腸内にたくさんの細菌が住み着くようになる。このような細菌を「腸内細菌」とよび、その集団を「腸内細菌叢」とよぶ。

 

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