~人間関係を豊かに~第2回 叩く

平成19年6月1日

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今回は一見いじめに見える子どもの行動についてお話します。仲良しのA子、B子、C子、D子たちが今日もままごと遊びを始めました。A子はお母さん、B子はお姉さん、C子とD子は子どもです。しばらくするとC子達は目に涙をためていました。

教師「どうしたの?」
C子「A子ちゃんが何にもしてないとに叩いた」
教師「そう、叩かれたの、痛かったね。」
教師「A子ちゃん、C子ちゃん達を叩いたの?」
A子「だって、ご飯が出来たから帰っておいでって言っても来ないもん。お母さんの言うことを聞かなかったから怒ったの!」
教師「そう。C子ちゃんとD子ちゃんはお母さんの言うことを聞かなかったのね。A子ちゃんさびしかったんだ。だから叩いたのね。
教師「C子ちゃんたちは呼ばれたのが分からなかったの?」
C子「まだ遊びたかったもん」
教師「もっと遊びたかったんだね。でもA子ちゃん、さびしかったって。」
A子「うーん・・・。だって、子どもはおかあさんのいうことは聞かないかんとよ。聞かんかったら叩かれるとよ。」
教師「そうなのね、A子ちゃんのお母さんは叩くのね。」
教師 「A子ちゃん、お母さんから叩かれたときどんな気持ちがする?」
A子「嫌だ!怖い」
教師「そうね、怖いよね、痛いよね、C子ちゃん達も怖かったみたいよ」
A子「だって・・・」  
教師「A子ちゃんはね、みんなが遊びに行ってさびしかったんだって。叩いたらいけないって知らなかったの。」
B子、C子、D子「・・・。」
4人は何事もなかったようにまた、ままごと遊びを始めました。大人は叩いた現場を見てすぐに「叩いたらだめでしょ!」と行動だけを咎めがちですが、結構子どもには「わけ」があり、その行動には大人が誘引となっていることが多いようですね。(篠栗町立勢門幼稚園主任 原田 幸子 先生)

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