ふくおか子育てパーク

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■2歳目前、イチバンよかときの巻■

2006年11月14日

カエル傘立て.jpg

 「よかねえ。イチバンよかころやね」

 1歳11ヶ月になった長男と手をつないで散歩をしていると、自転車で近所のマンションにチラシ配っていたオジサン(推定年齢60歳越え)と3度もすれ違った。

 最初は軽く会釈しただけだった。2度目は、こんにちは!と声をかけた。そして3度目は、むこうから声をかけてきた。

 「そのころが一番よかもんねー。俺も3人、子どもを育てたばってん、思い出すのはそのくらいのときばっかりたい」
 「今は何歳になったんですか」
 「もう、みんな大人になってしもうた」

 「そうですか」
 長男が、おじさんの自転車をさわる。

 「そうたい。よかねえ。子どもを育てていったら、いろいろあるけん。今も、子どもがたまに家に帰ってきても、おっさんになった目の前の、本人ではのうて、子どもが、そのくらいのときのことしか思い出さんとよ。イチバンよかときたい」

 おじさんは、心底なつかしそうに断言した。イチバンよかときなんだ。俺は、その時に一緒に散歩してるんだ。

 まだ数少ない単語でしか、言葉が話せず、一心に手をつないでいる子どもと歩くと、確かに「この瞬間は、自分だけが必要とされているんだ」という、ヂン!とくる充実感で満たされる。

 あーッ!!と指をさした空をみると、鳥が横切っていたり、蝙蝠(こうもり)が飛んでいたりする。

 アッパッパー!と指差した方角をみると、アンパンマンの絵を描いた幼稚園バスが停まっていたりする。

 ブー!と指差した下を見ると、鉄柵の向こうに川の水が流れている。

 ミー!と指差した川の中を見ると、どうしたわけか、蜜柑(みかん)が流れている。

 1歳児といっしょに散歩していなければ、きっと目にしなかったはずのありふれた光景が、輝くような新発見のように次々に広がってゆく不思議さはどうだろう。

 少し遠出をして、1時間にもわたる散歩を終えようと、最後の道を曲がったとき、あーッ!!と叫んだ長男が、僕の手を引いて、小走りに走り出した。

 進路の先を見ると、そこには、休日には必ずお参りをしている近くの寺の本堂が見えていた。南無阿弥陀仏。帰宅する前に、本堂におまいりした。

(おっとん16)

投稿者 Kosodate : 2006年11月14日 08:53

コメント

おっとん16さん こんにちは。
我が息子は、もう3歳で、そのおじさまの言う
「一番良いとき」は去年の事ですが。
今でも、良いときだなぁ、と思う日々です。
良いときって、しばらく続くものなのでしょうね。

今朝、眠る息子の小さな手を見ながら、
この手に必要とされる間は、しっかり手をさしのべて
あげようと、思ったところでした。

投稿者 はる : 2006年11月14日 12:09



おっとんさんへ

一番よか時が長く続くように、二人目、三人目もいかがでしょうか。ひと味違うおっとんさんのブログ楽しみにしています。20代のパパはお寺にお参りはしないですね。

投稿者 もみじ : 2006年11月14日 16:26



はるさん>そうですね。子育ての先輩がいうには「5歳までその後の一生分の親孝行してくれる」そうです。存在そのものが親孝行というわけですね。あと3年かあ。。そう考えたら、毎日がより大切になります。
もみじさん>すでに2歳目前児の初動についてゆけず、足がよろけているのですが、2人tか3人になると、当方の体力がさらに低下していて、把握不能になるのでは。。その前に2人目、3人目を創造できるのかどうかも問われます(^^;)

投稿者 おっとん16 : 2006年11月14日 18:48



う〜ん、そうですね。そのころが一番かわいかったかな?いつの間にかギューっと手を握っている小さなかわいい手。「俺が守ってやる!」って気持ちになったなぁ。それが今では中学生。手は握ってくれないけれど、ちょっぴり本音の話ができるのが、違った意味でうれしいかな?「成長、これもまた楽しからずや!」

投稿者 半勝ち?親父 : 2006年11月18日 01:19



半勝ち?親父さん>中学生になるころって、今から10数年後ですね。私の場合は、定年退職していて、なお子育て中です。まさか手はにぎってくれないけど、加速度的にぢいさまになっていた場合、手をひいてくれるかもしれません。

投稿者 おっとん16 : 2006年11月20日 13:03



おっとん16さんの言われる通り、子どもは、日常の中の思わぬ小さな美しさや驚きに気づかせてくれますね。
私はこれを個人的に「生き直し」と呼んでます。
大人になっても子どもと同じように感じ感動するなんて滅多にできない経験ですし、これから思春期を迎える我が子と一緒に、また疾風怒濤の青春を体験できるなんて、なんて親孝行なんでしょうと思ってしまいます。(たとえ目の前の我が子が反抗期でも)

これからもコラムを楽しみにしています。
寒くなってきました。風邪などひかれませんように…。

投稿者 もみじ : 2006年11月24日 10:38



おっとんさん
私も子どもが小さいころ、よく「今が一番かわいい盛りやね」と言われましたが、11歳になった今も「かわいい盛り」は続いています。小さいころのあどけない表情や無邪気な言動は、知恵がつくにしたがって薄れてはきますが、小学生には小学生の発見や感動、はたまた「勘違い」とかもあり、毎日、笑わせてもらったり、大人の私が気づかないことや知らないことを教えられたりしています。「子どもの親孝行は3歳までに終わる」なんて大嘘です!言うこときかなくて、腹がたつこともありますが、毎日、成長ぶりをみられるだけでも、いや、存在そのものが、親孝行なんだと思います。

投稿者 ままる : 2006年11月24日 16:37



もみじさん>「生き直し」。実感していますね。。11月もあっというまに、すぎてゆきます。
ままるさん>言葉を話すようになったらどんな展開になるのか。次が楽しみですが。休日は、だっこしたり中腰移動の多発によって、月曜日は腰痛に悩まされる最近です。気力より先に体力が尽きるかも。

投稿者 おっとん16 : 2006年11月27日 19:40



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