ふくおか子育てパーク

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■お疲れ20代パパの巻■

2006年11月01日

桜の花縮小.jpg

 「うわあああー疲れとんしゃあ」

 ある観光地にでかけたときのこと。私たちを含め4組の乳幼児を連れた夫婦が、トイレの前で遭遇した。

 4人の嫁さんが、それぞれ、わが子を連れてトイレに入る。おそらくオムツ換えするために。後に残ったのは、私を含めて4人のパパだった。4人とも思い思いにベンチに腰掛けている。

 嫁さんたちの姿はトイレの中に消え、周囲には男親しかいない。その瞬間、私を除く3人のパパは、まったく同じ動作をとったのだ。

 「はふうううううううう」
 「はあああああ」
 「ふううううううううううう」

 3人が3人とも、首をがっくりと下げ、ためいきをついた。両手で頭を抱え込むパパもいる。「がっくり疲れた。ああ大変。家族旅行はいいけれど、あすから仕事だどうしよう」という声がきこえてくるようながっくりぶりなのだ。

 嫁さんの視線が消えたこの瞬間に、真実の表情が出たというべきか。見たところ、3人とも20代パパである。私よりも相当に若い。ほんとは、まだまだ自分自身が遊びたい年なのかもしれない。若くして、パパになってしまってはいるが、家族のために働かないとならないし、休日ともなれば「どこかに連れて行ってよ!」と迫られ、家族サービスもしないとならない。ここまで車を運転して家族を連れてきたかもしれないし、それって、かなりキツイのかもしれない。

 子供をだっこしたり、カメラで記念写真をとったり、ベビーカーを運搬したり、買い物の袋を持ったり、普段は育児を嫁さんに一任している罪滅ぼしの気持ちもあるのだろうか。文句も言わずに、ここまでやってきた。それにしても、いったい俺の人生ってなんだろう。そんな気持ちの表れが「はあああああ、ふううう、はふうううう」のため息につながったのだろう。

 50台パパの私は、体力的には確かにきつい。20代パパの比ではない。抱っこをつづけると腰痛はするし、肩車はできそうにもない。足はヨロヨロ、腰はガタガタなので無理もできない。

 だが、私が、20代パパより優位な点は、ひとつだけある。子供にめぐり合うまでに長大な時間を要している。半ばあきらめ予期していなかった「子供がいる生活」を、楽しむ余裕ができている点なのだろう。20代のころも30台になってからも40台になってからさえ、子供が苦手だったので、もしもそのころに子連れ家庭を体験していたとしたら、3人のパパと同様に、妻子がトイレに消えたあと、頭をがっくりと垂れていたかもしれない。

 50台が近づき「子供がいたらどんな生活だったのだろうか」と過去形の仮定で想像していたところに、ひょっこりと子どもが生まれて、現実に子育てをすることになった。今は貴重な体験の日々を送っている。そのために、がっくり頭を垂れている3人の20代パパを見ながら「いやああ。みなさんタイヘンですなあああ」と客観的に同情する余裕さえ生まれているのだ。

 「疲れてますなあ。みなさん。本音のところ、休日は自分で遊びたいでしょうなあ。独身時代のように。でも、家族がいるし、パパだし、そんな身勝手できないっすよね。可愛い子供は泣きもするし、寝てもじきに起きるし、子供の都合で生活は進むし、嫁さんは生活に追われてたりするし、いろんなストレスもあるだろうなあ。嫁さんのストレスは、パパにも向かってくるだろうし。あなたは会社で昼はいないでしょ。私は一日中、子育てしてるのよ。俺だって働いているんだ。でも、自由な時間だってあるぢゃない。あたしはねー!キイイイイッ!てな展開もあるでしょうなあ。まあ、がんばってくださいね」

 などとガックリ3パパに、心の中で激励の言葉をかけていると、トイレの中から下半身裸の子供を連れて出てきた嫁さんが「おむつを持ってキテと、何度もいったとに、何でもってきてくれんと!モオオオオオオ。なああああんも、聞いとらんとやから!イライライライライライラ怒!」キイイイイイイイッーとなっていて、ありゃあ、しまった。

 でかい声で嫁さんに癇癪をぶつけられた。ガックリ・パパ3人は驚いて、頭をあげてこちらを見た。3人のガックリ・パパから同情の視線を一身に集める私であった。

(おっとん16)

投稿者 Kosodate : 2006年11月01日 00:00

コメント

おっとん16さん、はじめまして。
小太りひつじです。
50台のパパ、がんばれー!!
なんか、私まで元気出てきました。
子育ては、毎日発見ばかりですね。
子どもさんは感性のかたまり。
いろんなことを一緒に楽しんでくださいね。

11月、楽しみにしています。


投稿者 小太りひつじ : 2006年11月02日 17:02



はじめまして!秋の桜に誘われて出てきました。おっとん16さん、50代の子育てになぜが幸せがみちみちていて素敵です。ブログの技もすごい。30代3人の母親の私は驚きをかくせません。私も50代になってから、4人目を産んでためしてみようかしら!?

投稿者 さくら : 2006年11月02日 23:34



 小太りひつじさん>コメントありがとうございます。3連休明けは、体がきつい。日常を楽しむ余裕はあるのですが、肉体は余裕がなくて。細かくすばやく移動する2歳児の対応は、中腰が中心なので、夜はばったり倒れこんで寝てしまいます。
 さくらさん>1人でこのくらいの肉体疲労ということは、人数が増えるにつれて楽しみは倍加するが、疲労も倍加するのではないかと単純に思うのですが。近頃、双子さんや、4人連れの親子と出会うと、畏敬してしまいます。

投稿者 おっとん16 : 2006年11月06日 09:45



私の子どもは1人です。4才になってだいぶ手がかからなくなりましたが、やはり「ふぅ〜」ということはあります。私も、双子さんや4人連れの親子を見ると「がんばってるな」と思います。50代のお父さんのコラム、楽しみにしています。私も33才のときに授かった待望の子どもを今育てています。

投稿者 にじ : 2006年11月06日 19:37



にじさん>女性は偉大なり!と思うことがひとつあります。独身時代は、スーパーで買った「5キロの米」を自分で持つなんてことはなかったですよね!きっと5キロの荷物を持ってね!、なんて頼もうものなら「なんでアタシにもたせるわけ?」と、われわれに迫っていたに違いありません。でも、熟睡した体重10キロ超(推定)の子どもをだっこしながら、買い物の袋も持つ母親をよくみかけるのですが、子どもを持ったら力持ちになるんですねー。びっくりします。

投稿者 おっとん16 : 2006年11月06日 19:51



おっとん16さん、力持ちの話なら、それはもう任せてください!です。
これはホントの自慢ですが、私の“力こぶ”は夫よりもスゴイですよ。よく、子どもたちにも見せて威嚇しています(^_-) 
今は下の子も4歳になり、滅多にダッコしなくなりましたが、その代わり16リットルの水タンクを右手に提げ、左手に荷物を抱えて歩いたりしてます。
自分でも、こんな私になるなんて想像していませんでした、確かに・・・。

投稿者 ママヨ : 2006年11月11日 23:15



ママヨさん>子育てを通じて筋力増強するわけですね。私の場合は筋力トレーニングになればいいのですが、その前に筋肉疲労して、月曜日がつらいです。。。きょう、2回目の原稿を送りました。あっというまに半月すぎてしまい、びっくりします。

投稿者 おっとん16 : 2006年11月13日 20:39



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