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第3話 パパも読み聞かせしてみましょう(浦塘 直実/うらとも なおみ)

2009年11月16日

 9月にイイヅカコスモスコモンで、青少年アンビシャス運動推進フェスティバルが開催されました。その際、私達NPO法人「絵本で子育て」センターの絵本講師も「読み聞かせ」のコーナーと「絵本講座」に参加しました。
 「読み聞かせ」コーナーでは、絵本講師が分散して、参加されている親子に読み聞かせを行う形式を取りました。私の前には、以前勤めていた幼稚園の親子が座って下さり、久々の再会を懐しみながら、絵本の読み聞かせを進めていきました。2,3冊読んだ頃でしょうか。「次の本はどれがいい?」と一番下の女の子に絵本を選んでもらうように見せていると、お父様が「○○ちゃんは『11ぴきのねこ』(馬場のぼる/こぐま社)が好きでしょう。」とおっしゃいました。『11ぴきのねこ』(馬場のぼる作/こぐま社刊)
 私は、お父様がお子さんの好きな絵本を知っていることに驚きました。このご家庭には、絵本が沢山あります。3人のお嬢さんは、沢山の絵本を読んでいただいているので、色々なお話を知っているのはもちろんのこと、情緒豊かで、伸々と育っていらっしゃいます。
 絵本を読み聞かせてもらうというのは、子育てにこうも影響するのだなぁと、幼稚園教諭の時分にはよく思っていました。そして、てっきりお母様のみが読み聞かせをしていらっしゃるのだとばかり思いこんでいたのです。しかし、お父様の言葉を聞いて、これはきっとお母様がお子さんに読み聞かせをしているときに一緒に聞いていらっしゃるか、または、お父様自身が読み聞かせをしていらっしゃるかに違いない。そうでないと、お父様がお子さんの好きな絵本を知っているというのはなかなかないことではないかと思ったのです。その後、お母様にこの事をたずねてみました。そうしたら、「そうなんですよ。主人も読み聞かせをするんです。特に、上の子のときは主人が主に読み聞かせをしていました。」とおっしゃいましたので、とっても感激しました!! お父様が読み聞かせをするなんて、なんてすてきなんでしょう!!
 特に、お嬢さん3人は異性ですから、小さい頃の父親との関係は、こうした日常の何気ない場面でしっかりと親子の絆を深め合っているということや、これから思春期を迎えるにあたり、父親の存在が少々わずらわしい年齢になってきたときでも、幼い頃のこうした父親との体験は、何にも変えられない愛情の深さを感じてくれるはずだと思います。最近、ある小学校で講演をした際に、保護者のお母様から「病気のときに父親から本を読んでもらったことが心に残っています。その本を大人になって夏目漱石だということが分かって、再会したときに更に感動しました。」とお話して下さいました。

 「絵本」や「本」を読んでもらうということは、ずっと心の中に刻まれていくものであり、ある時ふと思い出して親の愛情を感じてみたり、かけがえのないひとときを共に過ごしてくれたという感謝の心が、その人の生きていく上での糧となり力となっていくのでしょう。
 世のお父様、今からでも遅くありませんよ。お子さんとのこうしたひととき「絵本」を媒体にしっかり親子の絆を深めてみてはいかがでしょうか。

 もう一つのお話。今4人目のお子さん(1才6ヶ月)に絵本の読み聞かせをしていらっしゃるお母様が私にこんなお話をして下さいました。「上の子のときは忙しくて、絵本を読んであげるゆとりがありませんでしたが、今ようやく下の子になって、そのゆとりが出来ました。けれど上の子(小学4年生と年長さん)には、してあげられなかったことが、申し訳なくて…。」とおっしゃいました。一番下のお子さんの誕生は皆でとても喜んだそうで、日頃もお世話をたくさんしてくれているとか。「では、お母様が下のお子さんに絵本を読んでいるときは、上の2人はどうしているのですか?」とたずねてみると、「一緒に聞いてくれます。」とおっしゃるので、「それだったら、上の2人に読んであげているのと同じですよ。2人は喜んで見ているのでしょう。」と言うと、「よかった!!」とおっしゃってくれました。下のお子さんが、上の2人のお子さんに、いいキッカケを作ってあげたのでしょうね。読み聞かせは、いつから始めてもいいと思います。決して遅いなんてありません。思い立ったら始めてみて下さい。おひざに抱っこしてね。

(NPO法人「絵本で子育て」センター 絵本講師 浦塘 直実/うらとも なおみ)

投稿者 Kosodate : 2009年11月16日 09:15

コメント

お父様も読み聞かせに積極的だったのですね!!!
子育てに参加しているからこそ、子どもたちの心の動きや気持ちの変化にもすぐに気が付けるのでしょう。
3姉妹の子どもたちが、いつも笑顔なのは心が満たされているからなのですね〜〜〜☆

私自身も、絵本に囲まれている生活をこれからの子育てで実践したいと思います。
その時は、色々教えてくださいね。

投稿者 白いうさぎ : 2009年11月16日 12:24



白いうさぎ様 コメントありがとうございます。
これから、お子様に絵本の読み聞かせが実践できますね。絵本がもたらす心豊かな世界を、お子様と一緒に旅してみてください。
ご主人様も是非参加してくださいね。

投稿者 浦塘 直実 : 2009年11月17日 00:19



パパの読み聞かせ・・パパはとっても不器用で、初めて絵本を子供(1歳)に読んで見せた時、皆でつい大笑いしてしまいました。だってギコチなさと表現がおかしくておかしくて。。でも子供は絵本を持ってパパのところへ歩いて行きます。とても幸せな気持ちになります。いつまでも続いてほしいです。1歳の誕生日に、メッセージをいれてプレゼントしてもらいました。これからもずっと・・・   ゆとりって大切ですね。わかっていても余裕がなくて。このきっかけを通して今からでも子供たちがゆとりをもってくれる事を願っています。

投稿者 mayumimama : 2009年11月17日 13:41



mayumimama様 コメントありがとうございます。
幸せなご家庭なんだなぁ〜と文面から、とってもかんじました。すてきなおとうさまですねぇ!楽しい様子が浮かんでくるようです。
これからもご夫婦で、お子様との読み聞かせで、家族の絆を深めてくださいね。

投稿者 浦塘 直実 : 2009年11月17日 23:13



こんにちは!
うらともさん。楽しく読ませていただいています。
うちの夫も、初めて読み聞かせしたとき、私は爆笑(声をださずに)しましたが、読んでもらってる1歳の息子は、号泣でした。
「腹ペコあおむし」の中の「ぺっこぺこ」の読み方が、私と違い、息子が「ぺっこぺこ〜〜」と泣きながらいって、私のように読むようにいってるんだなぁ〜と私にはわかっても、夫は「ぺっこぺこ」っていってるでしょ!と怒り出すし・・・
普段のかかわりが大切なんだなぁ〜と実感しました。

投稿者 しいのみ : 2009年11月18日 12:02



しいのみ様 コメントありがとうございます。
読みながら、声を立てて笑ってしまいました。
お子様がお父様に必死に訴えているようすが、目に浮かんできました!
ちょっとした読み方の違いで、物語の印象が変わったように聞こえたりしますものね。
お父様頑張って!

投稿者 浦塘 直実 : 2009年11月18日 14:11



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