「電子マネー」は、「見えないお金」と言われます。 「見えないお金」を上手に使う教育は、どのように行っていったらよいでしょう?

令和4年2月24日 

 前回は、「電子マネーの普及によって、子どもがお金を目にする機会が少なくなったからこそ、子どもがお金を見る・実感する・自分でお金を使う機会を作ることが重要だと考えられますよ」というお話をしました。
 一方、日常生活において、大人に限らず子どもも電子マネーを使用する機会が増えてきています。

 ☆子どものこんな声を聞きました。
  「カードをピッとすれば、電車にはただで乗れると思っていたよ。」
  「おかあさんは、カードで何でも買っているよ。魔法使いみたいだよ。」
  「ゲームのアイテムをいっぱい買いたいよ。お年玉で買ったけど、まだ欲しいよ。」

 前回までに紹介した調査アンケートでは、「子ども自身が交通系ICカードなど現金以外でお金を使うことがあると回答した保護者は 39.8%」という結果が示されています。中でも、現金以外で子どもがお金を使用する手段としてICカードが最も多い結果となっています。通学や通塾、家族と一緒に出かける際にも使用する機会が増えてきているのが現状のようです。

 電子マネーを使った支払いは、現金を持ち歩く必要がなく、財布の中身を気にすることなく買い物ができ、支払いはカードを端末にかざすだけ。さらに、ポイント還元やキャッシュバックなど節約や得にもなる、専用サイトからは支払い履歴のデータを見ることができるなど、様々なメリットがありますね。自分で財布からお金を取り出してお札や小銭を数えることや、受け取ったおつりの金額を確認することも必要もありません。
 その一方で、財布の中身を数えるのと同じように、いつでもどこでも残高を確認できるわけではありません。電子マネーが「見えないお金」と言われる理由はここにあります。買い物をすればその分お金が減っていくことを実感することはなかなか難しくなりますね。
 「見えないお金」を上手に使う教育は、どのように行っていったらよいでしょう。「見えないお金」を使う時代に生きる子どもにとって、大切な教育であると考えられますね。

「見えないお金」を上手に使う教育、こんなことから始めてみましょう!

  1. 電子マネーの仕組みを、子どもがわかる範囲で教えていきましょう。
    • 事前にチャージ(入金)の必要があること、口座引き落としのこと。
    • チャージした金額、口座残高、家計のやりくりの範囲で使えること。
    • 働いて得たお金の範囲で、チャージや引き落としができること、使うことができること。
  2.  保護者がICカードにチャージする場面を見せて、また、子ども自身にチャージさせて、「電子マネーは、お金」であることを実感させていきましょう。
    • 駅の券売機などでチャージして、金額を確認して、現金と同じ価値があること、大切に使うこと、なくさないように気を付けることなどを 話題にしていくといいですね。
  3.  電子マネーを持たせる場合は、約束を決めて、子ども自身が残高の管理ができるようにしていきましょう。
    • 使う範囲(交通費や通塾の時の軽食代など)、限度額、使用記録をつけることなど。
    • 保護者は、使用履歴を確認して、これをもとにサポートやアドバイスをしていくといいですね。
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