令和8年7月14日
ついに最終回。今回は、私たち親のあり方についてお話ししようと思います。
今の子ども達は、SNSなどを通じて、自分と知らない人の成功を比較し、不安になったり、自信を失ったりする時代に生きていますよね。そんな姿を見ると、私たち大人は、「SNSを遠ざけたい」と思いがちですが、そう単純でもありません。子どもによっては、SNSが大切なつながりの場となっていることもあるからです。そして、SNSは不安感情を加速させるきっかけのひとつにすぎません。根本的に見つめたいのは、「自分はダメだ」と思う心の土壌がどこで生まれているのかということです。
他人と比べてブレてしまうものさしではなく、何があっても揺らがない「自分軸」を、子どもの中にどう育てていけるか。それが、今日のテーマになります。
そのきっかけは、親子の会話の中に隠れていることがあります。子どもの行動や、そのできばえに過剰に反応してしまいませんか。
例えば、テストの点が良ければ「すごいね!!やればできるじゃない!」と大喜びする。一方で、子どもがちょっとした失敗をしたときには、悪気なく「あーあ。なんで?」とため息混じりの暗い表情を見せてしまう…。
親としては無意識の反応でも、思春期の子ども達は、言葉以上に大人の空気感を敏感に感じとります。その雰囲気から「うまくいったときしか喜んでもらえないのかも…」「失敗するとガッカリさせてしまう」と受け取ってしまい、これが「失敗=自分には価値がない」と繋がっていきます。
ある日、娘が前髪を切りすぎて「まじサイアク」と鏡の前で大騒ぎしていたときのことです。私は娘の苛立ちとネガティブな感情を手っ取り早く打ち消したくて、思わず「そんなことないよ!とっても可愛いよ!」と、とっさに取り繕ってしまいました。
すると彼女に、「私が気に入らないの」とイライラしながら返されました。
その瞬間「しまった」と気づきました。娘は「ただ失敗した」という気持ちを自分で感じていただけなのに、私の方が、「失敗=良くないこと」のようにできごとをラッピングしてしまったのです。慰めも、ため息も、根っこは同じ。子どもの「ありのままの姿」に、勝手に良し悪しのラベルを貼ってしまっているのです。
実際、親が焦って慰めたり、ため息をついたりすると、子どもは「失敗=大ごと」だと学習しやすくなります。逆に、良い結果のときに大げさに喜びすぎるのも「上手くいかないことは良くないことだ」という思い込みに繋がりやすくなります。どちらも「ありのままの自分じゃダメなんだ」という、他人の評価を気にする心の癖を作ってしまいます。
だからこそ、良いときも、悪いときも「そっか、〇〇だったんだね」と穏やかに受け止める。そのフラットで温かな愛情で、無条件に丸ごと包み込む。これが、他人との比較に振り回されない「自分軸」を育む関わりになります。
外の社会で頑張っている子ども達にとって、家庭はどんな不格好な姿でも「おかえり」と温かく迎える安全基地でありたいですね。
そして何より大事なことは、その安全基地の真ん中にいるお母さん、お父さん自身が、自分の人生を楽しみ、ニコニコと穏やかに過ごしていること。親の心からの笑顔は、子どもの脳に「この世界は安全な場所だよ」というメッセージを送り、心のバネを自然と強くしていきます。とはいえ、今はそれどころじゃないという時期もありますよね。「笑顔になれない日」があっても大丈夫。あなたは、信じて隣で待つ「伴走者」であれば、それだけで十分です!
この連載を読んでくださったあなたも、きっとそんな伴走者のひとりです。十年後に、今の日々を「あんなこともあったね」と笑い合える関係を目指して、まずは子どもと向き合い、悩みながらも頑張ってきたご自身に、優しく「YES」を出してあげてくださいね。











