令和8年2月17日
前回紹介した仙台市小中学生のスマホと学力の調査では、学力の変化を追跡しています。スマホ等の使用について、調査から1年後に「非使用」「導入」「中止」「使用」の4群に分けて成績(平均偏差値)の変化を比べると、スマホを持つようになっていた「導入」群、使いつづけていた「使用」群では成績が低下していたのに対して、もともと使用しない「非使用」群では高かった成績がさらに良くなり、使用をやめた「中止」群では低かった成績が向上していました。
アメリカの児童精神科医ダンクリー先生は、3週間の「デジタルデトックス」プログラムを実践し、さまざまな不調が改善する子ども達がいることを本に書いています。その本にもデジタル断ちの効果として、成績が数週間以内に明らかに向上、数か月以内に大幅に向上することを挙げ、実際のケースがいくつも示されています。
学力に限らず、デジタル断ちするとすぐに良い効果が表れるようです。スマホやタブレットを見せるのをやめたら寝つきがよくなった、朝すっきり目覚める、イライラが減った、兄弟に暴力を振るわなくなった、授業に集中できるようになったなどという話は、私のスマホ依存防止活動の中でも耳にします。
また、ダンクリー先生は本の中で、次のように書いています。
「デジタルデトックスは長期的にも、社会的、情緒的、認知的な発達の面で非常に大きな影響があり、のちの人生に図り知れないほどのよい影響をもたらす」
脳が成長の途中である子ども達には、身につけていくべき力が育つ過程にもデジタルが影響します。相手の気持ちを想像して思いやる力、自分の感情を制御する力、長期的視点で思考する力、挑戦する力など、脳の“前頭前野”が活動する場面でデジタルによる抑制が起こっているとしたら、脳の成長はどうなってしまうのでしょうか。
日々の生活の中で、子どもの寝起きが悪くなった、イライラしている、やる気が起きない、成績が低下してきたなど、変化が起こっていませんか。それは、ひょっとしてゲーム機をプレゼントしてから?親のスマホで動画をみるようになってからかも…?
確かめるにはデジタルから離れてみることです。ですが、何といってやめさせるか、抵抗されるに違いない。どうやって親の心配を伝えてデジタルとのつきあいを見直すことができるか・・・?!次回は、子ども達をデジタルから守るための作戦と、子どもから反発を受けにくい対話術について紹介したいと思います。
参考情報:川島隆太著「スマホが学力を破壊する」集英社新書
ヴィクトリア・L・ダンクリー著、川島隆太監修、鹿田昌美訳
「子どものデジタル脳完全回復プログラム」飛鳥新社
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