小野 アンリ 先生

1.もし子どもがLGBTQ+だったら

令和7年4月21日

 はじめまして。小野アンリです。私は福岡県出身で、大学生の頃からLGBTQ+の子どもやユース(青年・若者)のサポート、LGBTQ+の子どもたちにとっても安心して通える学校作りの活動に取り組んできました。
 子どもの性のあり方が典型的なものとは異なっているのではないかと感じている保護者の方や、本人からそう伝えられた保護者の方にむけてこの記事を書いていきます。

 私自身はトランスジェンダーでノンバイナリーでパンセクシュアルでパンロマンティックです。(これらの言葉の意味がよくわからない方は、次回以降の記事で紹介するので今はあまりわからなくても大丈夫です。)
 私は生まれた時に割り当てられた性別が女性で、そして女の子として生活しないといけないことがなんだかしっくりこない子どもでした。私が子どもだった25年ぐらい前、性の多様性に関する情報を得ることはとても難しく、自分のような人間が他にもいるのか、これからどうやって生きていったらいいのかがわからず、楽しいこともいっぱいあったけれど、不安や孤独もいっぱい抱えながら過ごしました。
 典型的ではない性のあり方で生きるにはまだまだ大変なこともある世の中ではありますが、それでも現在私は幸せで充足した毎日を送っています。

 LGBTQ+や、そうかもしれないお子さんをもつ保護者の方に、まず知っていてほしいことがあります。それは、あなたからの受容とサポートは、お子さんにとってすごく重要なものだということです。
 そんなことは当たり前だとわかっていて、もちろん子どもがどのような性のあり方であっても変わらず愛していてサポートしていこうと思っているという方もいらっしゃると思います。しかし、もしかしたら今すぐにお子さんの性のあり方を受容することは難しいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんし、お子さんのことを受け止めたいと思いながら、心のどこかで本人の思い違いで実は間違いであってほしいと思う方もいらっしゃるかもしれません。
 今の日本の社会はLGBTQ+の人たちにとって生きやすいものとは言えません。自分の子どもがLGBTQ+のどれか、または、いくつかかもしれないという時、我が子は幸せに生きていけるのかと不安に思うかもしれません。
 しかし、生きにくい社会だからこそ、身近な家族から性のあり方も含めてまるごとの自分らしさを受容され、必要な時にサポートを受けながら子ども時代を過ごせることは、生きづらい社会を生き抜いていく根源的な力を育むことにつながります。年齢に関わらず、人の性のあり方は変化していくこともありますが、都合よく変化させられるというものではありません。
 たとえ今すぐに受容することはできなかったとしても、性の多様性について学びながら少しずつ感覚をほぐしていってみませんか?
 LGBTQ+やそうかもしれないお子さんを受容しサポートしていくために必要なことを今後の記事でお伝えしていきます。

 専門家に相談したり支援団体と繋がったりしたいという方のための情報を紹介します。
 全国のLGBTQ+の10代〜20代の居場所/サービス
 プライドハウス東京が運営するウェブページです。
 「全国のLGBTQ+のための居場所やサービスを一覧にしたページです。LGBTQ+の子ども・ユースに特化した居場所/サービスはもちろん、年齢を問わないLGBTQ+向けの居場所/サービスも掲載しています。」
https://pridehouse.jp/legacy/youthservices/

2.もし子どもがLGBTQ+だったら②~性の多様性を知る~

令和7年5月28日

今回の記事では、性の多様性について紹介していきます。

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この図に書いている「5つの性」を使います。
「性自認」「性別表現」「生まれた時につけられた性別」「性的指向」「恋愛の指向」の5つです。

♢性自認
 「性自認」というのは、その人が自分の性別をどのように認識しているか/していないか、どんな性別だと見られたいか/見られたくないか、どの性別に所属意識があるか/ないかを表すものです。
 3本の矢印はそれぞれ、一番左側は「全く感じない」ということを表していて、右に行くほど、「強く、頻繁にそう感じる」ことを表します。

 つまりそれぞれの矢印は、上から「自分は女の子/女性だとどのぐらい感じるか/感じないか」「自分は男の子/男性だとどのぐらい感じるか/感じないか」「自分は女の子/女性でも男の子/男性でもないその他の性別だとどのぐらい感じるか/感じないか」を表す矢印です。
 もしかすると「その他の性別ってどんな感じかな?」「全然イメージわかないな」と思った人もいるかもしれません。そのように思った人は、今まで自分の中に「その他の性別」を感じたことがなかったり、「その他の性別」の人とたくさん話した経験がなかったりする人だと思います。今のところは「そういう性別もあるのだな」と知っておくだけで大丈夫です。
  性自認には様々なあり方があります。
例えば、
・とても強く自分は女性だと感じている人
・とても強く自分は男性だと感じている人
・とても強く自分は女でも男でもどちらでもない、その他の性別だと感じている人
・女だと思っているけれど、そんなに強く感じるわけではないから矢印で言うと半分ぐらいのところの人
・だいたいはこの性別というのがあって、他の性別も自分の中にあると感じる人
・どの性別も自分の中にあるけれど、感じる強さはそれぞれ違う人
・自分をどんな性別だと感じるかは、定まっておらず、揺れ動いている人
・性別がない人
・前と今とで性自認が変わった人
・どの性別も自分の中にない人
・性自認がわからない人
など、多様なあり方があります。

♢性別表現
 「性別表現」は、その人の性別を外見やふるまいなどの中でどのように表現するかということです。
 「外見」は、例えば髪型、服装、メイクなどです。「ふるまい」は、しぐさ、話し方、言葉づかい、座り方、立ち方、歩き方などです。それぞれの中には、いわゆる女性的だとされる表現や、いわゆる男性的だとされる表現がありますが、どのような表現が「女性的」または「男性的」だと認識されるのかは、時代、文化、地域によって違うことがあります。同じ集団の中でも、人によって受け取り方が違っていることもあります。
 これも3本の矢印を使って考えていきます。矢印はそれぞれ、いわゆる女性的とされる表現がどのぐらいあるか/ないか、いわゆる男性的とされる表現がどのぐらいあるか/ないか、そして、女性と男性以外のその他の性別的とされる表現がどのぐらいあるか/ないかを表します。 
 性別表現のあり方もとても多様です。
例えば、
・とても女性的な表現の人
・とても男性的な表現の人
・男性的とされる表現だけど、そんなにすごく男らしくするのが好きなわけではないから矢印で表すと半分ぐらいの人
・だいたい女性的な表現だけど、他の性別っぽい表現もある人
・服装や振る舞いのそれぞれで、まぜこぜな表現をしている人
・場面や一緒にいる相手によって違う表現をする人
・以前の表現と比べて今の表現は変わったという人
・自分がどのような表現をしたいのかわからない人
など、多様なあり方があります。

♢生まれた時につけられた性別
 生まれた時につけられた性別は、生まれてすぐ性器の形などで判断してつけられた性別のことで「女性」とつけられる人もいれば、「男性」とつけられる人もいます。

♢性的指向、恋愛の指向
 性的指向はどのような性別の人に、性的な魅力をどのぐらい感じるか/感じないかを表します。
 恋愛の指向は、恋愛感情につながる魅力をどのような性別の人にどのぐらい感じるか/感じないかを表します。
 これもそれぞれ、3本の矢印で考えていきます。矢印はそれぞれの性別に、どのぐらい魅力を感じるか/感じないかを表します。
 性的指向、恋愛の指向のあり方も多様です。
例えば、
・女性にだけ強く魅力を感じる人
・男性にだけ魅力を感じる人
・一つの性別にだけ魅力を感じて、恋愛や性的なことには、そこまで興味やエネルギーがないから矢印に印をつけるなら半分のところにつけるという人
・女性にも男性にも魅力を感じる人
・全ての性別に魅力を感じる人
・自分にとって誰かに魅力を感じる時に相手の性別はあまり関係ないという人
・全ての性別に魅力を感じ、それぞれの性別に魅力と感じる強さや頻度は違うという人
・誰かに性的な魅力を感じたり、恋愛感情を持ったりすることはほとんどなく、少しだけ魅力を感じることがあるという人
・恋愛感情は持つことがあって、性的なことを誰かとしたいとは思わないという人
・性的指向と恋愛の指向の魅力の感じ方が同じ人
・性的指向と恋愛の指向の魅力の感じ方がそれぞれちがっている人
・誰にも性的な魅力を感じることはないし、恋愛感情をもつこともないという人
・誰かに魅力を感じることがあるのか、どんな性別の人に魅力を感じるのか、わからないという人

♢性のあり方の名前
 性のあり方はとても多様で一人一人が少しずつ違っているようなものです。その中で、同じような性のあり方の人がある程度いると、その性のあり方に名前がついたり、その人たちが名乗り始めたりすることがあります。名前のない性のあり方もあります。
 ここからは性のあり方についている名前をいくつか紹介していきます。

【性自認に関する多様性】
 トランスジェンダー:性自認が生まれた時につけられた性別とちがう人
 Xジェンダー、ノンバイナリー:性自認を女性/男性のどちらかとは認識していない人
 シスジェンダー:性自認が生まれた時につけられた性別と同じ人

【性的指向、恋愛の指向に関する多様性】
 レズビアン:性自認が女性、または女性に繋がりを感じる人で、女性に魅力を感じる人
 ゲイ:性自認が男性、または男性に繋がりを感じる人で、男性に魅力を感じる人
 バイセクシュアル:二つ、または二つ以上の性別に魅力を感じる人
 パンセクシュアル:すべての性別に魅力を感じる人や、魅力を感じる時に性別は関係ないという人
 アロマンティック:誰にも恋愛につながる魅力を感じない、またはほとんど魅力を感じない人
 アセクシュアル:誰にも性的魅力を感じない、またはほとんど魅力を感じない人
 ヘテロセクシュアル:「異性」にだけ魅力を感じる人

【その他の名前】
 クエスチョニング:自分の性的指向や恋愛の指向、性自認がわからない、または考え中という人

 性のあり方はとても多様で、この記事で紹介した以外にも様々なあり方があります。
 今ある名前の中で自分の性のあり方があてはまるものがすぐに見つかる人もいれば、見つからない人もいます。自分の性のあり方の名前を見つけたい人もいれば、名前を特に必要としない人もいます。自分の性のあり方に名前をつける必要は必ずしもありませんが、名前を見つけられたらいいとか、名前がないと落ち着かないとか不便だという人もいると思います。そのような人には、関連する書籍もたくさんありますので、自分に合う一冊を見つけてみることをおすすめします。

3.もし子どもがLGBTQ+だったら③~LGBTQ+や、そうかもしれない子どもとの向き合い方~

令和7年6月25日

 これまで17年ほどLGBTQ+の子ども・ユースをサポートする活動を続けてきて、多くのLGBTQ+の子どもたちと関わってきました。その中で、子どもたちの保護者や先生などの本人をサポートする大人たちをサポートすることもたくさんありました。
 そして、LGBTQ+やそうかもしれない子どもと関わる際にサポートする大人によく起こりがちなことに気がつきました。

 例えば、お子さんから性のあり方を打ち明けられたときや、お子さんの様子などから「もしかしてうちの子はLGBTQ+のどれか、いくつかなのではないか」と感じたときなどに、「いや、そんなはずはない。きっとちがう。だって…」と、それにあてはまらないと思える理由を無意識に探してあげつらい始めたり、どうしてそうなったのかという理由を考え始めたりするということがよくあります。

  • 自分は男の子だと言っているけど、小さい時はスカート履いていたし、一時的にそう思っているだけなんじゃないか。
  • 同性愛の人が出てくるドラマを見たから、自分もそうだと思い込んでいるだけなんじゃないか。
  • xxxxという性のあり方の人の話を聞いたことがあるけど、この子はその人が言っていたこととは違うから、きっとxxxxという性のあり方ではないんだ。


 LGBTQ+や、そうかもしれない子どもと関わる時に、その子の性のあり方は何か、どうしてそうなったのか、本当にそうなのかという考えが頭を巡ることはあるかもしれませんが、私はそのようなことを考える必要はないと考えています。

 それは、性のあり方にどんな名前がついても、つかなくても、その子がその子らしく安心して過ごせることこそが大切なことだからです。
 例えば、正真正銘のトランスジェンダーだった場合は、例外的にその人らしくいてもいいけれど、正真正銘のトランスジェンダーじゃない(かもしれない)なら、その人らしさよりも生まれた時につけられた性別らしくしなければならないということが、これまでの子ども支援の現場ではよく見られてきたように思います。しかしそうではなく、その人の性のあり方にどんな名前がついても、つかなくても、その人がただその人らしく心地よく安心して子ども時代を過ごせるように身近な大人がサポートをしていくことが、子どものその後の人生を支える礎になるのだと私は感じています。

 アメリカのFamily Acceptance ProjectがLGBTQ+ユース(21歳〜25歳)のおよそ200人を対象に実施した2009年の調査ではこのようなことがわかりました。

  • LGBTQ+ユースが受ける家族からの否定・拒絶と自殺企図の関連性

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Copyright © 2022 Proud Futures

 この図は、LGBTQ+ユースが家族から受けたアイデンティティーに関する否定・拒絶と、LGBTQ+ユースが自死を図る(自殺企図)回数との関連を表しています。
 ここでの「否定・拒絶」には、

  • 子どもがLGBTQ+であることを予防しようとしたり変えさせようとしたりする。
  • 「子どもがLGBTQ+であることは恥ずかしいことだ」とか、「そうであることにがっかりしている」などと子どもに言う。
  • LGBTQ+であることに対して身体的な罰や精神的な罰を与える。


などが含まれます。

 この調査の中で明らかになったのは、家族から中度の否定・拒絶を受けたLGBTQ+ユースは、軽度の否定・拒絶を受けたLGBTQ+ユースの2倍、家族から重度の否定・拒絶を受けたLGBTQ+ユースは、軽度の否定・拒絶を受けたLGBTQ+ユースの8倍以上、自殺を企図した経験が多かったということです。これは、家族の否定・拒絶を受けるということは、LGBTQ+ユースにとって大きな危険因子(リスクファクター)であるということが言えると同時に、家族からの否定・拒絶を受けないということは、LGBTQ+ユースの健康と発達を守ることにつながるということも表しています。

  • LGBTQ+ユースが「自分は幸せな大人になれる」と信じられることと家族からの受容の関連性

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Copyright © 2022 Proud Futures

 この図は、LGBTQ+ユースが家族からそのアイデンティティーを受け入れられることと、LGBTQ+ユースが、自身が「幸せな大人になることができる」と信じられることとの関連性をあらわしています。

 家族が全く受容的でない場合は全体の35%、少し受容的である場合は全体の59%のLGBTQ+ユースが「自分は幸せな大人になれる」と信じられるのに対し、家族がとても受容的な場合は全体の77%、そして非常に受容的である場合は全体の95%のLGBTQ+ユースが「自分は幸せな大人になることができる」と信じることができた、ということがこの調査からわかります。つまり、まわりの家族が受容的であることは、LGBTQ+の子どもやユースがポジティブな将来像をもつことができるために重要なことだと言えます。

 性のあり方も含めた、まるごとのその子をありのまま受け止めてくれる大人がそばにいることは、LGBTQ+やそうかもしれない子ども・ユースの人生にとってかけがえのないことです。その子がその子らしく安心して過ごせているのか、誰かから嫌なことを言われていないかを見守り、本人が何かサポートを必要とした場合は本人と話し合いながらサポートをしていくことが大切です。

 特にこれまでLGBTQ+の人たちのことを身近に感じた経験がない方の場合は、自分の子どもや、自分が関わる子どもがLGBTQ+のどれか、いくつかであるとか、そうであるかもしれないということを信じられないと感じたり、受け入れがたく感じたりすることがあるかもしれません。そのような場合も、性の多様性についての情報を得たり、九州レインボープライドなどのLGBTQ+に関するイベントに参加したり、専門家に相談したりすることをとおして、少しずつ自分の中の感覚がほぐれていき、その時々の子どものありのままを尊重できるようになっていけるのではないかと思います。

4.もし子どもがLGBTQ+だったら④〜子どもを傷つける前に〜

令和7年7月28日

 前回はLGBTQ+の子ども・ユースにとって、家族からの否定や拒絶がメンタルヘルスに重大な影響を及ぼすこと、家族からの受容が重要であることを書きました。
 この場合の家族からの否定や拒絶とは以下のようなものを指します。
・子どもがLGBTQ+であることを予防しようとしたり変えさせたりしようする
・「子どもがLGBTQ+であることは恥ずかしいことだ」とか、「そうであることにがっかりしている」などと子どもに言う
・LGBTQ+であることに対して身体的な罰や精神的な罰を与える

 まだまだLGBTQ+への誤解や偏見がはびこる今の社会では、我が子がLGBTQ+のどれか、いくつかである、あるいはそうかもしれないと知った時、否定的、拒絶的な感情や考えが自分の中で湧き上がることはあるかもしれません。しかし、もしその感情や考えをお子さんに言葉や態度などで伝えてしまうと、お子さんを深く傷つけてしまう可能性が高いため注意が必要です。
 では、子どもの性のあり方に対して否定的、拒絶的な感情や考えが自分の中で湧き上がった時に、どうしていけばいいのか。今回はその方法をいくつか紹介していきます。

♢ジャーナリングする
 ジャーナリングとは、一定の時間内に頭に浮かんでくる考え、感情、イメージなどを紙に書いていくことです。言葉や文章で書くだけでなく、絵でもいいですし、言葉にも絵にもならないものを紙にペンをはわせて描く線で表現するのも十分に効果があると言われています。
 我が子の性のあり方を知った後、混乱したり動揺や不安などの様々な感情が沸き起こって心や頭が忙しいけれど、実際に誰かに相談しようという気持ちになれないことは、そのような状況であればごく自然なことです。ジャーナリングであれば、紙と筆記具があれば誰にも気兼ねすることなく自分の感じていることや考えをありのままに表現することができます。

♢自分と向き合う
 もし自分の中に否定的、拒絶的な感情や考えがあることに気がついた場合、どうしてそれが起こっているのか、何が根底にあるのか、自分と向き合ってみることで、それをほぐしたり乗り越えたりしていく糸口が見つかることもあるかもしれません。

♢性の多様性について知る
 LGBTQ+について、あまりよく知らないことが否定的、拒絶的な感情や考えの根にある場合は、性の多様性について知っていくことで、誤解や偏見をほぐしていくことができます。
 最近はLGBTQ+に関する書籍も色々あるので、自分に合う一冊を見つけてみることをおすすめします。

<様々な人のことを知ることのできるウェブサイト>
 様々なLGBTQ+の人たちのストーリーに触れることも、否定的、拒絶的な感情や考えをほぐしていくのに役立つことがあります。
PALETTALK
LGBTER

<トランスジェンダーや多様な性別のことを知ることのできるウェブサイト>
性別違和のあるお子さんと家族のための情報サイト
trans101.jp はじめてのトランスジェンダー

 トランスジェンダーについてネット上には様々な情報があふれています。特に最近はトランスジェンダーに対してネガティブに発信された情報も多くあり、トランスジェンダーやそうかもしれないお子さんをもつ家族にとって、お子さんの今後がとても心配になるような情報を見てしまうこともあるかもしれません。
 そのような場合には、上記の「trans101.jp はじめてのトランスジェンダー」というウェブサイトがおすすめです。SNSのトランスジェンダーに関する情報のファクトチェックやおすすめの動画コンテンツなども掲載されています。

♢相談する
 誰かに相談することは、苦しい気持ちを和らげたり、気持ちや状況を整理したりすることの助けになるかもしれません。ただ、もし身近な人に相談しようとする場合はアウティングにならないように気をつけなければいけません。
 アウティングとは性的指向、恋愛の指向、性自認、出生時につけられた性別、性別移行に関すること、HIV/エイズのステータスなどを本人の同意なく第三者に暴露することです。
 もしご自身の身近な人に相談しようとする場合は、それがアウティングになってしまわないよう、事前にお子さん本人にその人に相談してもよいかを聞き、お子さんの意向を尊重することが大切です。

♢LGBTQ+に関する専門の相談窓口に相談したい場合
 もし専門家に相談したい場合は、認定NPO法人ReBitが情報をまとめているこちらのページに各地の相談窓口や交流会に関する情報も掲載されているので参考になると思います。
先生のためのLGBTQに関するオンライン情報センター

♢サポート団体とつながる
 LGBTQ+の子どもをもつ家族をサポートする団体があるので、それらの団体とつながることで得られるものは多いのではないかと思います。

<LGBTQ+の子どもをもつ家族をサポートする団体>
NPO法人LGBTの家族と友人をつなぐ会
にじっこ

 LGBTQ+の子どもをもつ家族をサポートする活動に特化している団体はまだ多くなく、自分の地域にはないという場合もあるかもしれません。認定NPO法人ReBitが情報をまとめているページに各地の団体や交流会等のことも紹介されているので、下記URLよりぜひご参照ください。
先生のためのLGBTQに関するオンライン情報センター(相談先を探す)

♢最後に
 最初の記事でお伝えしたことを最後に改めて伝えさせてください。

 今の日本の社会はLGBTQ+の人たちにとって生きやすいものとは言えません。自分の子どもがLGBTQ+のどれか、いくつかかもしれないという時、我が子は幸せに生きていけるのかと不安に思うかもしれません。
 しかし、生きにくい社会だからこそ身近な家族から性のあり方も含めてまるごとの自分らしさを受容され、必要な時にサポートを受けながら子ども時代を過ごせることは、生きづらい社会を生き抜いていく根源的な力を育むことにつながります。年齢に関わらず人の性のあり方は変化していくこともありますが、都合よく変化させられるというものではありません。
 たとえ今すぐに受容することはできなかったとしても、性の多様性について学びながら少しずつ感覚をほぐしていってみませんか?

 ※この記事で紹介されているリンクは、執筆者個人の推薦に基づくものであり、ふくおか子育てパークがその内容を推奨したり、保証したりするものではありません。

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